【インタビュー】クラウド会計ソフトfreeeがPOSレジ連携で店舗経営を刷新する!?

みなさん、こんにちは。レジチョイス編集部の産賀(ウブカ)です。今回はレジ業務と切っても切れない関係にある会計業務に関してです。確定申告書や決算書の作成時に手間を減らすためには、日常業務であるレジ締めを効率化するPOSレジとクラウド会計ソフトとの連携が重要だ、との噂を聞きつけました。そこでクラウド会計ソフトのシェアNo.1というfreee株式会社様にお邪魔してお話を伺ってきましたよ。対応いただいたのは、freee株式会社のチャネル事業開発部長、折川様です。

freee株式会社エントランス

オシャレなオフィスでソワソワしております(インタビュアー)。

freee株式会社略歴

  • 2012年7月:CFO株式会社(現freee株式会社)設立
  • 2013年3月:「全自動クラウド会計ソフトfreee」リリース
  • 2014年10月:「クラウド給与計算ソフト freee」リリース(2017年8月より、機能を強化し、新たに「人事労務 freee」というサービス名に変更)
  • 2015年6月:会社設立手続支援ソフト「会社設立freee」リリース
  • 2016年10月:個人事業主向け開業手続支援ソフト「開業freee」をリリース

「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」をミッションに掲げている

――まず、クラウド会計ソフトfreeeの設計理念について最初にお伺いしてもよいでしょうか?

(折川)
まず、freeeがどういった会社なのか、どういったサービスを提供しているのかを理解してもらうと分かりやすいかと思いますので、そこから説明したいと思います。

弊社のサービスとして主に提供しているものは「会計ソフト」なのですが、それに加えて「人事労務ソフト」も提供しています。というのも弊社では「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」をミッションとして掲げています。弊社の顧客の多くは、従業員数が30名未満のいわゆる中小企業や個人事業主なんです。

最初は「確定申告」や「決算書類」の作成など、紙やエクセルを使って人力で処理していた経理業務を、クラウドや人工知能などの最新テクノロジーを利用することで効率化・自動化できるはず、という発想からサービスの開発を進めて、2013年の3月にサービスをリリースしました。そこから機能の拡充を行い、現在では300〜500名規模の中堅企業向けの導入プランも提供しています

会社の特徴として言えることは、スピード感をもってプロダクト開発や市場シェアの獲得に注力しておりまして、2017年8月現在で約96億円を資金調達し、開発エンジニアや営業担当などの人材確保に力を入れています。freeeの設立が2012年7月ですので、約5年で従業員数350名、「クラウド会計ソフト freee」の導入事業所が80万事業所、というところまで成長しています。

スモールビジネスの会計業務は「紙とエクセルで管理」という惨憺(さんたん)たる状況だった・・・

――なるほど、サービス名と社名が同じ「freee」ですが、サービスの開発背景を簡単に教えていただけますでしょうか。

(折川)
代表の佐々木が創業前から課題に感じていたのが、日本の中小企業のバックオフィス業務、特に経理業務が非効率である、というものでした。しかも、それを最適化する会計ソフトが当時の日本には存在していなかったわけです。どんな企業でも必要な経理業務を効率化することが出来れば、中小企業全体の業務効率化につながり、本業にフォーカスできるようになるのではないかと考えたことが直接のきっかけですね。紙やエクセルと人力で何とかしようという中小企業が非常に多かったんです。なので、これらとは真逆で、使うツールと人手を減らし、経理業務をシームレスに完結させる「クラウド会計ソフト」として提供することで、「全体最適」が図れるはずだ、と。

――なるほど。中小企業が「創造的な活動にフォーカス」するためには、部分最適・局所最適ではなく、「全体最適」必要だったというわけですね。

(折川)
途方もなく大きなミッションに見えるかも知れませんね。でも、バックオフィス業務が効率化されれば文字通り日本を変えるサービスになると自負しています。ちなみに、会計業務と言うと、どのような作業を想像しますか?

――そうですね。実際にやったことはないのですが、請求書やレシートの書類を見つつ、仕訳ルールに沿って売上げや経費を勘定科目ごとに分けて記入する事務作業というイメージですね。

(折川)
そうですよね。複式簿記という形式にしたがって、貸方・借方に分けて仕訳を入力して帳簿を作成する、という作業になります。これを「記帳」といい、これをすることによって税務申告や融資の際に必要な書類が出来上がる重要な仕事です。従来の会計ソフトはこの記帳の部分を複式簿記の形式でいかに簡単に入力が出来るか、まさに「会計業務」の利便性向上に注力して開発されていて、スモールビジネス向けでは、freeeが出るまで30年位ずっと同じ状況が続いていたんですよ。

バックオフィス業務を効率化することで得られるメリット

――ではクラウド会計ソフトfreeeは従来の会計ソフトとはどの部分が異なるのでしょうか?

(折川)
クラウド会計ソフトfreeeも会計機能はもちろん充実しています。簡単に言うと、サービスがカバーする範囲が圧倒的に広い、という部分でしょうか。

クラウド会計ソフトfreeeのカバー領域の説明図

クラウド会計ソフトfreeeがカバーする業務領域。「商取引等のやり取り」から「申告書の作成」に至るまでの幅広い業務がオールインワンのソフトで効率化されることが分かる。

実際に多くの企業様にヒアリングをすると、どうやら時間が掛かっているのは記帳作業の前段階の経理処理という部分なんです。具体的にいうと、請求書の作成や入金の消し込み、そして交通費などの経費精算をするために表計算ソフトなど複数のツールに金額を手入力したり、とそういった作業です。経理担当ではなく営業担当などがこの作業を行うことも多く、経理担当とのコミュニケーションコストもかかります。しかしながら、会計帳簿に落とし込む前の部分なので、この部分を改善するという意識自体があまりなかったんです。

――なるほど。確かに中小企業では交通費の精算のために交通系ICカードと連動した経費計算システムを導入するなどはコスト的に厳しいので、なかなかそこに問題意識を持つことも少ないかも知れませんね。

(折川)
そもそも仕訳を入力する以前の作業で多くの時間が掛かっているのに、仕訳の入力を会計ソフトで効率化しても経理担当がすこしだけ楽になるだけで、業務の効率化としては正解ではないのではないか、という問題意識から着想を得たサービスがfreeeなのです。

ですので、会計ソフトと銘打っていますが、実際のところは経理業務全般の改善ソフトという部分を「ウリ」にしています。

さらに、バックオフィスの業務で効率化の余地があるものとして、給与計算や勤怠管理、マイナンバー管理などの人事労務領域が挙げられます。人事労務領域でも、相当量の手作業や紙作業があり、効率化の課題があることがわかってきています。この人事労務の情報も会社の会計情報と密接に関わってくる部分ですので、freeeは、バックオフィス業務全体を最適化するクラウドERP(基幹業務支援ソフトウェア)を意識しています。

freee では大きく分けると「クラウド会計ソフトfreee」、「人事労務freee」を2本の柱としてサービス提供し、スモールビジネスのバックオフィス業務の改善を図っています。

当時、中小企業向けのシステムは存在していなかった

――なるほど、バックオフィス業務の幅広い範囲をカバーできることがfreeeの魅力だと思いますが、こういったサービスはこれまで無かったのでしょうか?

(折川)
厳密にいうと存在しないわけではありませんでした。というのも、こういったERP(基幹業務支援システム)は、大手システムメーカーなどが大企業向けに提供していて、各企業の業務に沿った形でプログラミングしてカスタマイズして導入するという大掛かりなものでした。当然、数千万円~数億円のコストが掛かるものですので、数千人規模の企業でなければ導入は難しかったわけです。

――ではなぜfreeeではそれが安価に実現できているのでしょうか?

端的に言うと、外部サービス含めクラウド技術の浸透が大きいですね。クラウドのメリットとして、従来のように特定のPCや自社サーバーにシステムを構築して運用するという制約がなくなったこと、そして情報の共有が飛躍的に簡単になったこと、セキュリティが担保出来るようになること、機能のアップデートが簡単に出来ることなどが挙げられます。

従来であれば1社あたりエンジニア数十人を擁して開発していたシステムをfreeeが数十万社分まとめて開発して、クラウド上から提供することで数千万、数億のシステムを月額数千円で提供できるようになったんです。

POSレジとfreeeの組み合わせによってスピーディーな店舗経営の判断を

――なるほど。確かにバックオフィス業務全般を取り扱うというサービスはかなりの投資を必要とするので、従来会計業務を提供していた会社であっても難しいかも知れませんね。クラウドサービスといえば、勤怠管理用にタイムカードのシステムを提供したり、レジチョイスで紹介しているPOSレジシステムなどの形で提供している場合が多いと思うのですが、そのあたりのサービスと重複する場合などもあるのではないでしょうか?

(折川)
重複するというより、freeeとして提供しているサービスは、経理業務や人事労務業務を改善するものですが、それらに関連している業務は多種多様で、さすがにその全てを自社で提供することはできません。なので、freeeでは外部サービスとの連携も積極的に行っています。例えば、銀行の業務を提供できないのと同様に、人事労務管理と関連する福利厚生のサービスやPOSレジや決済端末のシステムは他社サービスと連携しつつ、ユーザー目線でのサービス提供を目指しています。

――なるほど。POSレジとの連動についてもう少し詳しく伺いたいのですが、タブレットPOSレジなどを導入すればある程度の売上げの分析機能が備わっているものが多いと思うのですが、freeeと自動で連携することで生まれるメリットなどはありますか?

(折川)
従来の飲食店が行っていた閉店後のレジ締め作業で当日の売上をエクセルファイルに記入して本社やオーナーに送付するのと比べると、POSレジの導入でレジ締めの業務は改善されるはずです。またタブレットPOSや決済端末などのサービスも年々進化していて、例えば飲食店のPOSレジだと商品登録時に原価率を登録できるものもありますが、freeeと連動させることによって、勤怠情報や仕入れ状況のデータを統合した形で分析することができるんです。人件費の状況を含めた情報を見られることは、経営の情報や資金繰りという部分を現場の人間がリアルタイムで把握して、正しい経営判断を行うことにつながるのではないかと考えています。

――なるほど。確かにfreeeが連動できるスマレジであれば商品情報の登録時に「原価率」を一緒に登録することも出来ますし、ユビレジであれば在庫管理システムの「StockScan」と組み合わせることで原価計算をすることが出来ますが、シフト管理や人件費、賃料などのコストを含めた上でトータルで分析できればこれほど便利なものはないですね。しかもPOSレジから自動連携することでリアルタイムに経営判断が下せる、と。

――ただ、売上げ情報が自動で連携されるにしても、仕訳の項目自体は会計ソフト側で作業する必要がありますよね?

(折川)
実は、freee には、取引のデータの内容に鑑(かんが)みて、仕訳の貸方、借方の項目に自動で仕訳する機能が備わっています。こちらは弊社の2つの特許技術で実現した仕組みで、仕訳の項目が間違っていないかを確認するだけで会計データになるんです。

――へぇ。それはすごい。記帳の際に交際費なのか、会議費なのか、などの判別は知識がないと難しいですが、それを自動で類推してくれるということですよね。すごい・・・。店舗経営に関する内容まで詳しく教えていただき大変ためになりました。本日は長い間、ありがとうございました。

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