雑然としがちなレジ周りをスマートに整える一体型端末のこれから

おもちゃのレジスター

タブレットPOSは単純な金銭管理だけでなく、売上データの集計や勤怠管理など、さまざまな機能が使えてとても便利です。しかしお金を保管するためのキャッシュドロワーやクレジットカード決済端末も使いたい場合には、それぞれに機器を用意しなければなりません。

各社デザインに工夫を凝らしているものの、「あれが必要、これも必要」と設置していった結果、ゆとりを持って確保したはずのレジカウンターがいろいろな周辺機器で埋め尽くされている…なんてことはありませんか?そんなレジユーザーの悩みを解決してくれる機器が、このところ少しずつ登場しています。

増えていく端末を1台に集約する動き

プリンター内蔵キャッシュドロワー

小型プリンターやカードリーダーライターの製造を行っているスター精密から、キャッシュドロワーとレシートプリンターが一体化した「mPOP」シリーズが販売されています。

プリンター一体型のキャッシュドロワー「mPOP」

「mPOP」にはバーコードリーダーも接続できる

 

 

 

 

コンパクトでシンプルなデザインに加え、カラーも2色あります。オペレーター用端末とカスタマーディスプレイの両方をサポートするタブレットスタンドを使えば、ドロワーの上にタブレットを載せて操作することが可能です。

バーコードリーダーの接続もでき、配線が目立たないよう製品底面に各種ケーブルの配線ルートが確保されています。こういった配慮は嬉しいですよね。

「mPOP」はiOSやAndroid、Windowsなど、あらゆるモバイルOSに対応しているので、使用するモバイル端末を選びません。また「AllReceipts」という無料の電子レシートサービスも利用できるようになるのもありがたいところ。この「AllReceipts」を利用すれば、顧客が電子レシートを閲覧する際にお店の満足度調査を実施したり、顧客に役立つ情報を発信できたりします。

mPOPシリーズ:http://www.star-m.jp/products/s_print/sp01_10.html
AllReceipts:http://www.star-m.jp/products/s_print/allReceipts/

決済端末を1台に統合する「JET-S端末」の新シリーズ

今年10月にはクレジット情報処理センター大手の日本カードネットワークが、クレジット共同利用端末(CCT)「JET-S端末」の接続リーダライターとして、デンソーウェーブの開発した新型「RX100シリーズ」を採用すると発表しています。

RX100QT カメラなしRX100QT カメラ付き

RX100シリーズは国内主要電子マネー6種に加え、国際規格に準拠したEMVコンタクトレス(非接触型ICカード)としてVisaのpayWave、MasterCardのPayPass、JCBのJ/Speedyなどの対応を進めており、中国銀聯のQuickPass等にも拡張を図る予定です。

また、カメラを搭載したRX100QTではQRコードやバーコードの読取ができ、新サービス第一弾として、2017年春以降、ジェーシービーの「ポイントおまとめサービスPOICHI」のバーコード読取を順次実装予定としています。

さらに、デンソーウェーブが開発したセキュリティ機能付きQRコード「SQRC」にも対応予定で、セキュリティを重視する加盟店のニーズにも応える、とのことです。

電子マネーやクレジットカード決済、さらにはQRコードによるポイントサービスもこれ1台で対応できるので、ゴチャゴチャしがちなレジ周りが一気にスッキリしそうです。

日本カードネットワーク:https://www.cardnet.co.jp/global-data/20161024103823258.pdf

タッチパネルPCにも複合型が登場

そして今月、ロジテックINAソリューションズ株式会社は、POSレジ端末や発券端末に最適な10.1インチワイドパネル搭載のレシートプリンタ一体型タッチパネルPC「LT-JP1101」シリーズを12月下旬より発売すると発表しました。

プリンター一体型のタッチパネルPC「LT-JP1101」

ロジテックはコンピュータ周辺機器メーカーとして有名なエレコムの100%子会社で、各種インターフェース機器・液晶モニター・シンクライアント端末の開発、そして近年はAV機器等の開発等など幅広い製品を持つ会社です。業務用タッチパネルPCのほか、据置利用に特化して有線LANやUSBコネクタを標準装備した業務用タブレット端末なども生産しています。

今回発表された「LT-JP1101」は、レシートプリンター一体型で、セカンドディスプレイも標準搭載しており省スペースを実現できます。利用環境や要望に合わせてOSのカスタマイズもでき、あらかじめソフトウェアなど用途に応じた設定をして出荷してもらうことも可能です。

LT-JP1101 製品ページ:https://pc.logitec.co.jp/detail/7394.html

アメリカではGoogle元幹部がスマート決済端末「Poynt」を開発

ほかにも似たような機器がないか調べたところ、既にアメリカには先進的な端末が存在していました。かつてGoogle Walletを率いていたOsama Bedier氏がCEOを務める会社から、2014年秋にスマートターミナル「Poynt」が誕生しています。

レジ機能にプリンターやバーコードリーダー、各種決済機能も搭載する「Poynt」

店員と客が向かい合った状態で見られる7インチと4.3インチのディスプレイを搭載し、プリンターも内蔵・・・と、ここまではロジテックとあまり変わりませんが、特筆すべきはこの端末の機能です。

基本的なPOSレジの機能に加えて、磁気ストライプカードによるクレジット決済だけでなくEMVにも対応し、Apple Payに代表されるNFC決済やギフトカード、QRコード、Bluetoothによる電話での支払いもできます。

Poyntの機能を図解で紹介

またWi-Fi接続だけでなく3G機能のオプションもあり、USB拡張にも対応しています。周辺機器も充実しており、キャッシュドロワーやバーコードスキャナーとの接続も可能です。

そして驚くことに、「Poynt」と同じセキュリティ認証機能を有する、スマホサイズの「Poynt 5」という端末まで登場していました。Poyntと同等の機能を備えながらサイズは約半分、5インチのディスプレイでしっかり片手に収まっています。

「Poynt5」は手のひらサイズで高機能

Poynt:https://poynt.com/

まとめ

今年の秋、Apple Payが日本でも利用できるようになってから、モバイル決済がにわかに注目を集めるようになりました。この先現金以外の支払方法の需要が増えることも予想され、店舗でもさまざまなニーズに対応できるように、設備を整える必要が出てくることでしょう。

レジ周辺にまつわるユーザーの問題を集約していくと、多機能でコンパクトかつデザイン性にも長けている「Poynt」のような究極の端末にたどり着くのかもしれません。残念ながら日本はまだその領域に達しているとは言えませんが、でも近い将来、日本の豊かな発想と高い技術力が「Poynt」を超える端末を世に送り出すのではないでしょうか。

新しいレジや決済端末の導入をお考えならば、ぜひ一体型の機器にも目を向けてみて下さい。きっと今まで気にも留めずにいたことが問題点として浮かび上がり、それを見事に解決してくれる機器にも出会えると思います。