レジ待ちストレスを解消する“セルフレジ”はどこまで進化するのか?

こんにちは、レジチョイス編集部です。大手スーパーなどで良く目にするセルフレジ。皆さんは利用されたことはありますか?最近は駅構内のコンビニや衣料品店でもセルフレジが導入され、スーパー以外でも広まりを見せています。

すかいらーくグループがファミレス初のセルフレジを試験導入

テーブルに並ぶ数々の料理

日本テレビが、すかいらーくグループがファミリーレストランとしては初めてとなるセルフレジのシステムを導入することが明らかになったと報じました。

利用客は、会計の際に無人のレジで伝票を機械に読み込ませ、クレジットカードや電子マネーで支払うことができる。昼時など、混雑する時間帯の会計の待ち時間を短縮し、接客サービスを向上させる狙いがある。先週、都内のジョナサンで実験的に導入を始め、24日、25日と、順次、都内のガストとバーミヤンで運用を始める。今後はこの3店舗の実績を見ながら、都心を中心に全国展開も視野に検討していく方針。

<出典>日本テレビ:すかいらーくG、ファミレス初のセルフレジ

電通の過労死事件で改めて社会的問題となっている過重労働。飲食業界においても他人事ではありません。慢性的な人手不足の解消のため、あの手この手を打っています。24時間営業を見直して来客が多い時間帯に従業員の数を増やしたり、システムの効率化でサービスの向上を図るなどの動きが広がっており、すかいらーくの取り組みもその1つと言えるでしょう。なお、首都圏の無印良品やGUなどでもセルフレジの試験的な導入が始まっています。

セルフレジを日本で初めて導入したのはイオングループ

日本で初めてセルフレジが登場したのは2003 年。長時間のレジ待ちストレスを解消するため、イオングループが千葉県のマックスバリュ松ヶ崎店に、レジメーカーの日本NCRと共同で「FastLane」というセルフスキャン方式を試験導入したのが最初です。

翌年にはジャスコ津田沼店に4台を設置し、2種類の店舗モデルで設置場所や運用方法などの最適化を追求。1年半かけて周辺環境の整備を行い、運用ノウハウを蓄積していったそうです。セルフレジでも可能なレベルに運用全体を簡易化するなど、業務全体の見直しも図ることで改善を重ね、2008年までの5年間でグループ169店舗、747台にまで導入台数を伸ばしています。

フルセルフレジとセミセルフレジ

セルフレジには商品バーコードの読み取りから精算まで買い物客がする「フルセルフ型」と店員が商品を読み取って顧客が精算する「セミセルフ型」があります。フルセルフ型は10年以上前に登場していますが、バーコードの読み取り作業に戸惑う買い物客も多く、必ずしも精算時間の短縮にはつながりませんでした。

一方、セミセルフ型は商品スキャン部と会計機が分かれており、商品スキャンは従業員、会計機による決済は顧客自身で行います。従業員がスキャンから決済まで行う従来のレジ方式に比べると、セミセルフ型は商品スキャンに慣れている従業員がスキャンをするため、スピードアップ効果が期待できます。また食品を扱う場合には、現金を触ることがなくなるため衛生的です。

スーパーマーケットのセルフレジ設置率

ショッピングカート

一般社団法人 日本スーパーマーケット協会などが公表している「平成 28 年スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、一部店舗含むフルセルフレジの設置率は全体の22.1%、セミセルフレジの設置率は28.6%です。

セミセルフ型の割合がフルセルフ型を上回っていますが、買い上げ点数が少ない場合はフルセルフ型の方が早く会計が済む場合も多く、従来型レジを好む高齢者などのニーズも根強くあります。立地や客層によってセルフレジの割合を変えるなど、導入に際しては工夫が必要と言えるでしょう。

ちなみに保有店舗数が多くなるにつれて設置率が増加する傾向にあり、51店舗以上の企業では52.8%と半数を超えています。大手スーパーでは利用するレジの選択肢を増やすことで、顧客のレジ待ちのストレスを解消し、満足度の向上につなげているようです。

進化するレジ

他方、お店の形をガラリと変えてしまいそうな先進的なレジの開発や、その導入に向けた実験例も徐々に増えており、世間を驚かせています。

ローソンとパナソニックが始めた自動レジシステムの実証実験

昨年12月、パナソニックとローソンは、次世代型コンビニエンスストアの実験店舗「ローソンパナソニック前店」(大阪府守口市)で業界初となる完全自動セルフレジ機「レジロボ」の実用化に乗り出したと発表し、話題になりました。なお、「レジロボ」は、経済産業省から補助を受けた「平成28年度ロボット導入実証事業」に採択されています。

「レジロボ®」は、お客様ご自身でバーコードをスキャンした商品を専用の「スマートバスケット®」に入れ、バスケットごと専用レジに設置するだけで自動的に精算と袋詰めをするシステムです。店員がレジで商品のスキャン登録や袋詰めをする必要がないため、店舗オペレーションの省力化につながります。今後は、バーコードの代わりに、通信情報のやり取りができる、商品スキャンの必要のない電子タグのRFIDを取り付け、お客様の利便性向上と生産性向上を図ってまいります。

<出典>ローソン:業界初の完全自動セルフレジ機「レジロボ®」とRFID(電子タグ)の実証実験を開始

Amazonがレジなしコンビニの試験運用を開始

アメリカでは、Amazonがレジのない食料品ストア「Amazon Go」を本社内にオープンし、社員による試験運用を開始しています。入店時にスマホアプリを使ってチェックインし、店内で商品をバッグに入れてそのまま店を出れば、自動的に購入した商品の料金がAmazonアカウントに請求されるという仕組みです。

店内には車の自動運転に採用されているのと同じカメラやセンサーが設置されており、買い物客の動きを追跡してデータを収集しています。集められたデータはAI(人工知能)が解析。買い物客が棚から商品を手に取ると自動的に仮想ショッピングカートに商品が入り、棚に戻したらカートから外されるようになっています。

<出典>Amazon.com: Amazon Go

まとめ

食事を楽しむ男性たち

セルフレジの需要は間違いなく拡大しており、小規模店舗での導入事例も今後増えることでしょう。さらに近未来的なレジロボやAmazon Goのような会計スタイルも登場しています。これらが実用化されれば、レジ待ちのストレスは大幅に解消されると思います。

ただし全てが機械化されると、機械操作が不得手な人にとってはかえって生活しづらくなる可能性も否定できません。買い物の際にレジで言葉を交わすことを楽しみにしている高齢者もおり、レジの進化によって人と人とのつながりが希薄になってしまうようでは、あまりにも残念です。人の手で提供すべきサービスの向上のために、新しい技術や機械がバランス良く取り入れられることが望ましいのではないでしょうか。