業界の先駆者TESCO(テスコ)に学ぶ顧客管理【ID-POS】データをどう使う?

顧客管理の優、TESCO(テスコ)

みなさん、こんにちは。小売店舗を運営するにあたっては、日々の売上分析が欠かせませんよね?
今回は特にポイントカードなどで顧客管理・顧客分析を行うための基本的な手法をイギリスの小売大手TESCO(テスコ)の例を参考に見ていきたいと思います。
店舗であればポイントカード、電車やバスなら電子マネー、クリニックや治療院ならカルテ、その他にもメールマガジン、SNSのFacebookやLine@などをはじめとして顧客情報は店舗側に確実に蓄積されていっています。単純に店舗の売上を上げるため、というよりもむしろ顧客の分析を通して店舗の販売計画を類推する手法といえるでしょう。

・TESCO(テスコ)とは

小売世界3位のTESCO(テスコ)

TESCO(テスコ)はイギリスに拠点を置き、ヨーロッパ、北米を中心に正解14ヶ国に約5,400店舗を持つ売上高世界3位の巨大小売グループです。
先見の明のあるTESCOは1995年から「TESCOクラブカード」と呼ばれるポイントカードを発行し、購買履歴分析を利用し、消費者の購買傾向をセグメント化し、プロモーションを行っています。ポイントカードの導入から2年後の1997年には純利益でイギリスのトップに君臨していたセインズベリを抜き1位に成長している。その主な要因のひとつがこの顧客分析にあると言われています。

・テスコがもたらした顧客分析の進化「商品DNA」

TESCOは世界でも屈指の顧客管理能力を取り入れ、活用している顧客分析のパイオニアです。今回は、TESCOが行っているポイントカードの購入履歴から顧客の購買傾向・顧客属性を把握する手法の一部を、簡単に説明したいと思います。
「商品DNAによるセグメンテーション」
今、特定の顧客がどんな商品を欲しているかが完全に分かれば、理論上、店舗の売上を最大化することが出来ます。但し、顧客自身も自分が欲しい商品がどんなものかは分かっていない場合も多いのです。しかも、店舗側にはその特定の顧客が過去に何を購入したかという限られた情報しかなく、その情報から解き明かそうとしています。
限られた情報から顧客個人の属性を判断するツールがこの「商品DNAによるセグメンテーション」なのです(TESCOではライフスタイル属性のことを商品DNAと呼んでいる)。

・「商品DNA」から分かる顧客のライフスタイル

テスコクラブカード

消費者の商品選択においては消費者個人の価値観・ライフスタイルが大きく影響していることはいうまでもないと思います。例えば、ドレッシングを選ぶ際に消費者が重視するのがカロリーであれば健康志向が強く、価格が安い商品を選んだ場合は節約志向が強い、CMなどで知名度が高いブランドを選ぶ場合は知名度や権威志向が強いことが伺える。
このように、商品1つを例に見てみても、様々な属性が考えられますよね。

ここでいう「商品DNA」とは商品およびブランドが消費者に提供するライフスタイル属性・価値のことなのですが、もう少し分かりやすく説明すると、特定のライフスタイル・価値基準を持った消費者に相性が良いかの型、ということが出来ます。ダイエットドレッシングなら健康志向が強い「商品DNA」、という具合です。

もし、通常の商品分析を行った場合には「ダイエットドレッシング」を購入した顧客は再度同じ商品もしくは類似する商品を購入するだろう、という分析に基づいて商品の割引情報を提供したり出来ますよね。これは間違っていません。ですが、TESCO流の商品DNAによるセグメンテーションであればダイエットドレッシングに「健康志向が強い消費者向け」という属性を与えることが出来るので、まったく別の商品である野菜をリコメンドしたり出来ますよね。
より具体的に検証してみると

商品ごとに

商品 節約 健康 オーガニック 機能性 グルメ 科学的根拠(権威) ・・・
ドレッシングA 1 3 1 1 0 0 ・・・

のような表を各商品毎に作成し、購入者に各属性のポイントを割り振っていく形で顧客のライフスタイルを特定します。
もちろん、通常であれば性別や年齢、ライフステージを利用した「デモグラフィックス分析」などと併用して利用する分析ツールのひとつです。小規模な店舗でも、ポイントカードなどで収集した個人情報のデータと過去の購入履歴のデータに加えて、メールアドレスらSNSのID,住所などのプロモーションアプローチに必要な情報があれば、高度なツールに頼る必要も無くエクセルなどでも分析が可能になります。

・まとめ

顧客情報管理(CRM)

商品属性やライフスタイルのセグメントのための変数の設定は一朝一夕には分かるものでは有りませんが、小売店ではこういった分析手法を知っていることもPOSレジ選びの重要なポイントになってくるでしょう。もし、多店舗展開しているうちの特定の店舗でに顧客の属性が固まったりしていた場合には、今まで、「客層」という一言で片付られていた分析に説得力を与えることが可能になるでしょう。
以上の点から見ても、顧客管理が出来るPOSレジを選定する際はCSVでの購入履歴の出力が可能なのか、分析するツールが付属しているのかなどは特に気をつけておくべきポイントです。